活動報告activity report

県議会定例会

令和5年2月定例会 一般質問 登壇 2月24日

<一括質問方式>               

1 豊かな県民生活の実現に向けたDX推進の取組について  【知事直轄組織】

2 心豊かで明るく元気なシニア生活の実現について        【健康福祉部】

3 静岡茶の販路拡大支援について                        【経済産業部】

4 誰もが快適に移動できるバリアフリーなみちづくりについて【交通基盤部】

5 掛川市内を流れる太田川水系の河川改修事業の進め方について【交通基盤部】

6 学校の働き方改革と中学生の部活動の両立について      【教育委員会】

7 新設を含む信号機の整備促進について                  【警察本部】

1 答弁者 知事 

 小沼議員にお答えいたします。豊かな県民生活の実現に向けたD X
推進の取組についてであります。
 昨年3月に策定した「ふじのくにDX推進計画」におきましても、基
本理念に掲げる「豊かさ」は、物心両面の豊かさを意味しており、「誰に
も優しく、誰もが便利に、安全・安心」の取組を進めることで、この豊
かさを実感できる地域社会が実現されるものと考えております。
そのような認識の下、県では、具体的な取組として、誰でも、いつで
も、どこにいても、スマートフォンやパソコンから必要な手続ができる
よう、行政の仕組みの改革を進めております。あわせて、御利用いただ
く県民の皆様を誰一人取り残さないデジタルデバイドの解消にも取り組
んでおります。
 また、産業や観光、健康、教育など様々な分野において、デジタル技
術を活用した地域の課題解決を進めており、例えば、県立中央図書館で
は、新しい生活様式に対応するため、スマートフォンによる貸出カード
の表示や電子書籍の貸出しを開始したほか、掛川市におきましては、持
続可能な移動手段の確保に向けて、自動運転と顔認証を活用したバスの
乗降管理の実証事業を行っております。
 加えて、議員御指摘のとおり、様々な施策を展開していく上で、次世
代を担う若者の意見やアイデアを取り入れていくことは非常に重要であ
ります。そのため、「ふじのくにDX推進計画」の策定に当たり、庁内の
若手職員に、10年後の本県が目指す姿とその姿を見据えた提案をして
もらい、計画に反映いたしました。
 さらに、オープンデータの周知と利活用促進を図るアイデアソンやハ
ッカソンには、大学生など多くの若者に御参加いただいているほか、本
年3月から県内各地で開催する地域ワークショップにおきましても、若
者の柔軟な発想を県の施策に生かせるよう、広く参加を呼び掛けてまい
ります。
 県といたしましては、様々な分野でデジタル技術を積極的に活用し、
誰一人取り残されることなく、いつでも、どこでも、誰もが手軽にデジ
タル化の恩恵を受けられる社会を実現することで、誰もが幸福に生きら
れる素晴らしい日本の理想郷「ふじのくに」を創ってまいります。

2 森副知事 福祉長寿政策課

 心豊かで明るく元気なシニア生活の実現についてお答えいたします。
健康寿命の延伸に向けては、心身の健康維持・増進はもとより、趣味
やボランティア活動などの社会参加を通じて、生きがいを持って過ごす
ことが、活力ある長寿社会を築く上で大変重要であります。
 健康づくりにつきましては、多くの高齢者がスポーツや文化活動に親
しむ機会として、毎年、県版のねんりんピックである「すこやか長寿祭
スポーツ・文化交流大会」を開催し、今年度も約4,000人の方々に
御参加いただきました。今後も、競技種目の見直しを図りながら、より
多くの方々に楽しく参加していただけるよう取り組んでまいります。
また、これまで県のアドバイザーの派遣により、公民館や空き家など
の地元の施設を活用し、誰もが気軽に集まって健康づくりや趣味などを
楽しみ、孤立の防止につながる居場所の運営を支援してまいりました。
今年度からは、新たに、健康や栄養などのノウハウを持つ民間企業と連
携し、運動指導や食生活改善のための講座などの多様なプログラムを提
供する取組を開始したところであり、今後も魅力の一層の向上と参加者
の拡大に努めてまいります。
 社会参加につきましては、66歳から76歳までの壮年熟期の方々を
対象に、運転ボランティアなど生活支援の担い手としての養成や、地域
で活躍できる場の情報発信など、社会での活動を促進する「ふじのくに
壮年熟期活躍プロジェクト」を推進してまいりました。今後は、地域で
活躍するシニア世代の方々の交流の場を設け、取組についての意見交換
や好事例の情報共有により、活動に対するやりがいを高め、シニア世代
が積極的に地域とつながる環境づくりを推進してまいります。
 県といたしましては、市町や関係機関と連携して、健康づくりと生き
がい活動を共に推進することで、シニア世代の皆様が、明るく元気に活
躍できる社会の実現に取り組んでまいります。

3 農林水産担当部長 お茶振興課

 静岡茶の販路拡大支援についてお答えいたします。
 収益性の高いリーフ茶の需要が減少する中、本県茶業を持続的に発展
させるためには、海外での需要が高い有機茶の生産拡大と静岡茶の新た
な販路拡大が重要であります。
 有機茶の生産拡大に向けましては、手間の掛かる栽培管理を省力化す
るため、茶業研究センターが機械メーカーと共同開発した送風式の病害
虫防除機や、乗用型除草機等の導入を支援するとともに、農薬飛散の影
響を受けない茶園を選定し、掛川市の上内田地区など有機茶に100%
転換する基盤整備を県内6地区、47haで進めてまいります。
 加えて、耐病性が強く有機栽培に適した「つゆひかり」等への品種転
換を加速するため、機械定植用の苗木の購入費用を助成するとともに、
有機栽培の指導員による実証茶園での技術指導等を強化してまいります。
 また、静岡茶の販路拡大につきましては、ChaOIプロジェクトに
より、生産者による高級茶の海外向けECサイトの構築や、お茶の機能
性に着目した化粧品等の商品開発、日本橋の高級飲食店での呈茶の有料
提供など、引き続き、ChaOIコーディネーターの活用などにより、
新たな需要の創出に取り組んでまいります。
 県といたしましては、輸出需要に対応した有機茶の生産拡大やオープ
ンイノベーションによる静岡茶の販路拡大を支援し、本県の茶業振興に
全力で取り組んでまいります。

4 交通基盤部長 道路保全課

 誰もが快適に移動できるバリアフリーなみちづくりについてお答えい
たします。
 県では、高齢者、障害者等の自立と社会参加を支援するため、「静岡県
が管理する県道の構造の技術的基準等を定める条例」に基づき、移動等
の円滑化のための道路構造の基準を定め、通学路の安全対策や無電柱化
をはじめ全ての道路事業においてバリアフリー化に取り組んでおります。
特に市町が、駅や病院等の施設とこれらをつなぐ道路の一体的なバリ
アフリー化を推進する地区として定めた13の重点整備地区では、優先
して歩道の段差の解消や点字ブロックの設置等を進めております。今年
度末には、計画延長78kmの約7割にあたる57kmが完了する見込
みであります。
 今後、更なるバリアフリー化を進めるためには、県道に比べ市町道の
進捗が低いことから、市町に事業手法に関する助言や技術支援を行うな
ど、市町と連携し効果的な整備を推進してまいります。加えて、市町に
対しバリアフリー制度の周知や先進事例の紹介を行い、新たな重点整備
地区の設定を促進してまいります。
 県といたしましては、県民一人ひとりが生き生きと活躍できる環境を
目指し、引き続き、高齢者、障害者をはじめとする道路利用者のニーズ
を踏まえながら、道路のバリアフリー化に取り組み、誰もが快適に移動
できるみちづくりを進めてまいります。

5 交通基盤部長 河川海岸整備課

 掛川市内を流れる太田川水系の河川改修事業の進め方についてであります。
 昨年9月の台風15号による豪雨は、近年にない大規模な出水となり、
掛川市内の原野谷川や垂木川などの県が管理する区間では、護岸の決壊
や堤防の欠損など、25件の河川施設災害が発生いたしました。昨年
12月には、国による災害査定により復旧工法を決定し、現在は、工事
の契約手続きを進めているところであり、着手後は、適切な工程管理に
より、被災箇所の早期の復旧を図ってまいります。
 また、河道拡幅などの河川改修工事につきましては、県内でいち早く
策定した「太田川水系河川整備計画」に対象区間を位置付け、治水安全
度の向上に取り組んでおります。このうち、原野谷川では、現在、新吉岡橋
上流の用地買収を進めており、来年度、拡幅工事に着手する予定であり
ます。また、垂木川では、県道掛川天竜線の新橋の架け替えや上流の用
地買収を進めており、家代川におきましても、一丁田橋より上流の用地
買収に取り組んでいるところであります。
 激甚化・頻発化する豪雨を踏まえ、いずれの河川におきましても河川
改修を加速させるとともに、流域の皆様が地域の水害特性や治水対策の
現状を正しく理解して備える「流域治水」をあらゆる関係者と連携して
推進してまいります。また、太田川水系の河川情報紙「てくてく太田川」
の充実など、引き続き、積極的な情報発信に努めてまいります。
 県といたしましては、太田川水系の災害復旧事業や河川改修事業を迅
速かつ着実に進めるとともに、掛川市や地域の皆様と連携し、水害に強
い地域づくりに努めてまいります。

6 教育長 健康体育課

 学校の働き方改革と中学生の部活動の両立についてお答えいたします
部活動は、学校教育活動の一環として、教科学習とは異なる集団での
教育活動を通じた人間形成の貴重な機会であります。現在、学校の働き
方改革として、教員に代わって部活動顧問を務める部活動指導員の配置
等により、教員の負担軽減を図るとともに、掛川市と焼津市において、
休日の部活動の段階的な地域移行に係る実践研究に取り組んでおります。
 この実践研究によると、教員の負担軽減に効果は認められたものの、
指導者や運営費用の確保、保護者の負担等の課題が浮かび上がり、生徒
の参加機会の減少等が懸念されます。学校の働き方改革と中学生の部活
動を両立していくためには、生徒が取り残されることがないよう、単な
るスポーツ・文化環境の整備ではなく、生徒を中心においた教育環境の
整備として取り組む必要があると考えております。
 このため、令和4年11月に地域移行に関する県の考え方を市町にお
示しするとともに、昨年末発出された国のガイドラインを参酌し、市町
において部活動の地域連携や地域クラブ活動について検討するための指
針となるよう、「学校部活動の地域連携や地域クラブ活動の在り方等に
関する方針」を策定いたしました。この中では、これまでと大きく変わ
らない経済負担で活動できる体制の構築や教育的意義の継承、発展がで
きるように留意すること等を示したところであり、今後、市町教育委員
会等と共有してまいります。
 県教育委員会といたしましては、引き続き、教員の負担軽減に配慮し
ながら、希望する中学生の活動機会が保障され健やかな成長を遂げられ
るよう、市町教育委員会と連携し、丁寧な検討と周到な準備をすること
で、学校の働き方改革と中学生の部活動の両立を目指してまいります。

7 警察本部長 警察本部

 新設を含む信号機の整備促進についてお答えいたします。信号機の新設を含めた交通安全施設関連事業の総予算のうち、電気料・回線料は4割、信号機老朽化の更新は2割と、その維持管理に要する費用の割合が元々高い中、近年、電気料や信号用電球の価格上昇のため、事業予算のやりくりが益々厳しくなっています。議員ご指摘のとおり、消費電力を大幅に削減でき、電球交換が不要となるLED化は、予算の効率化上、必要不可欠であり、県警察としても全力で取り組んでいますが、他方で、老朽化した制御機や信号柱が全体の2割を超え、その維持管理費が著しく膨れ上がっている状況にあることから、信号機の新設への予算配分はどうしても制約されてしまう現状にあります。県警察といたしましては、今後も、LED化を含め、維持管理費節約への取組を進めることで、信号機設置の要望に出来るだけお応えできるよう努めるとともに、要望にお応えできない場合であっても、住民の安全確保を第一に、道路環境に応じた必要な安全対策を講じてまいります。