活動報告activity report

県議会定例会常任委員会

危機管理くらし環境委員会 副委員長小沼秀朗質疑  3月1日、3月2日

「危機管理部」

<原発に対する県民の考えについて>

Q 原子力発電所の安全対策の現状等、県民の声をどのように反映しているのか伺う。

A 答弁者  神村 原子力安全対策課長  原子力発電所の現状については中部電力もあらゆる取組を発信しており、県としても、現場点検とか防災・原子力学術会議の原子力分科会とか、そのような取組について積極的に報道を入れて取材してもらい、ホームページに載せて発信するといったことを行っているところです。

再質問 Q 県民が原子力発電に対してどのように考えているか、県として全県民に対するアンケートを実施するべきと思うが、如何か?

A 答弁者 神村 原子力安全対策課長  原子力発電所に関しては、様々な観点での御議論、御意見がある。過去に県民意識調査の中で「原子力発電所の安全対策について理解しているか」という質問を入れていた時期もあるが、最近では、原子力発電所の何に対してアンケートで聞くのか、なかなか難しいこともあり、現時点で県としてそのようなことをすることは考えていない。

小沼意見 何も難しいことはない。いろんなことを率直に聞いていくべきである。

Q 低レベル放射性廃棄物 ドラム缶1,264本分 が2月20日から22日に輸送された。県民への周知を含め、県としての安全対策として、どのように関わったのか。

A 輸送された低レベル放射性廃棄物は、1、2号機の廃止措置に伴う解体廃棄物とは違い、3、4、5号機を含めて発電所の運営で出てくる通常の放射性廃棄物である。浜岡原発で発生する放射性レベルが比較的低い放射性廃棄物は、ドラム缶に入れて、発電所構内の固体廃棄物貯蔵庫で保管されている。これを年1回程度の頻度で、青森県内に設置されている低レベル放射性廃棄物埋設センターに一部が輸送され、埋設処分されている。浜岡原子力発電所から御前崎港に輸送し、船で青森まで持っていくということが、2月20日から22日にかけて行われた。 県、御前崎市と中部電力の間で「低レベル放射性廃棄物の輸送の安全確保に関する協定」を結んでおり、この協定に基づいで、2週間前までに中部電力から静岡県と御前崎市に協議があり、特段問題ないことを確認した上で実施をしている。低レベルの放射性廃棄物であり、容器の外に放射線を発した状態で輸送されるわけではなく、表面は触っても大丈夫なぐらいの覆いを被せた上で輸送する。放射線の影響がないことを、県の環境放射線監視センターと原子力安全対策課の職員が立ち会って確認した上で、輸送しているものである。

再質問 Q 県民への周知について教えていただきたい。

A 輸送については、道路を警備をして、外的に近づかれないように安全を確保した上で実施するものである。当然ながら、輸送の沿道周辺の方々には事前に知らせた上で、終わった後に輸送したことを公表する必要がある。しかし、「運びますよ、運びますよ」と事前に広く周知して実施するべきものかどうかは、非常に難しい。県としては事前に聞いており、実施後に県の冊子等にも載せてはいるが、積極的に県から大きく事前に広報することは実施してない。

再々質問 Q 低レベル放射性廃棄物の今後の管理のスケジュールは、県はどのように把握しているのか?

A 1,200本程度のドラム缶を先月輸送した後、現在、発電所構内の固体廃棄物貯蔵庫に約3万4,000本残っている。全体の容量は4万2,000本分の容量がある。容量が一杯にならないように、どのくらい発生するか、どのように輸送するかを中部電力から適時情報をもらい、安全上問題ないか確認してまいりたい。

小沼意見 県民に周知して、理解を求めていくことが必要である。

<消防団の充実・強化に向けた取組について>

Q 準中型自動車免許の新設に係る対応について伺いますが、現在、消防協会が3分の1負担、市町が3分の1負担、団員が3分の1の負担という現状があります。こうした中で、県内の団員確保と今後の防災力強化のために、3分の1という消防協会の負担を増額し、2分の1あるいは3分の2に嵩上げすることについて、考えを伺います。

A 答弁者 白鳥 消防保安課長 消防団員の準中型自動車免許の取得に係る財政支援制度については、市町村において制度を設け、それに上乗せする形で、県消防協会が3分の1を上限に行っております。県消防協会の制度として補助率3分の1が決まった経緯についても、当時、県が市町の補助率等を勘案して、その上で、消防協会の理事である各市町の消防団長と議論を重ねた結果ででございます。負担につきましては、県消防協会において決定するものですので、委員からあったようなお声を県消防協会にお伝えしていきたいと思っています。

小沼意見 新たな若い団員は運転できませんので、これから先、全員の補助が必要になります。 今後、消防協会から補助率嵩上という声が上がってくることも予測されますので、引き続き要望としてお伝えさせていただきます。

<地震・津波対策アクションプログラムについて>

Q これからの減災目標のイメージ図に、迅速な行政としての避難アナウンスを記載していくべきではないかと考える。また、わかりやすく県民に啓発していただきたいがこれについて伺う。

A 答弁者 森 危機政策課長  資料の中にはそのような記載はありませんが、まずは的確に正しい情報を入手していただいて、それにもとづいて、とるべき行動をとっていただくことが基本であると考えておりますので、そうしたことも含めて「わたしの避難計画」の普及において啓発していきたいと考えております。

<地震・津波対策等減災交付金について>

Q 防災ラジオや屋内受信機のようなものがあれば、被災情報がより迅速に伝わったはずであるが、県内の普及状況について伺う。

A 答弁者 森 危機政策課長  防災ラジオ等についても、地震・津波対策等減災交付金で購入を補助しておりますが、市町それぞれの状況に応じた配布の考え方もありますので、現状でどれだけ普及されているか把握しておりません。

A 同質問へ答弁者 杉山 危機報道官  防災ラジオのほかにも、住民に対して直接情報を伝達する手段としてはいくつかございます。例えば、メールを活用した登録メールやエリアメールという手段があるほか、コミュニティFM放送に、各市町の発信する防災情報を割り込んでプッシュ型で放送する仕組みもございます。これ以外にも、裾野市や御殿場市では個別受信機が各世帯に設置されていたり、川根本町では、最新のIC技術を活用した電話と町の情報発信が兼用で使える機器を全戸配布するなど、住民への直接的な情報手段が可能となっております。エリアメール等の緊急メールを使っている市町は35市町、コミュニティFMの割り込み放送は 17市町が使えるような状況になっております。今後も、各市町と情報共有しながら、利用できるものを使っていきたいと考えております。

小沼要望 台風15号は、夜間に線状降水帯が発生しており、風水害の激甚化が危惧される中、県として個別受信機の全戸配布を推進していただくことを要望します。

<新型コロナ対策>

Q コロナ対策として投じた費用について把握しているか伺う。

A 答弁者 森 危機政策課長  コロナへの対応ということで申し上げれば、一連の対応でございますが、コロナワクチンや検査に関する経費など、健康福祉部の所管する予算も多くあり、一方で飲食店に対するもの等、様々な部署が様々に関与しており、全庁で対応してきたというところが実態でございます。 現状では申し訳ありませんが、全容は金額的には把握しておりません。

小沼意見 今回の事案を将来に活かすために、資料として、県が総括し、まとめあげていくべきであると思います。

「くらし環境部」

Q 盛土条例について、業界団体等からの意見を踏まえ、土壌分析調査の簡略化に関し規則改正や運用の見直しを行うということだが、 ①規則改正の見直しに関して、パブリックコメントを実施した結果、どのような意見があり、どのように対応していくのか。 ②規則改正以外の運用の見直しとは、具体的にどのような内容なのか。

A 答弁者 大坪 生活環境課長  土壌分析調査の見直しについては、資料67ページの(5)のア、表の2段目にあるとおり、3つの点について、見直しを行う。パブリックコメントについては、(2)に記載のとおり、許可申請時に必要な土壌分析調査を土地の利用履歴による調査でも可能とする規則改正を行う。これに対して、パブリックコメントを1月16日から実施した。改正案への主な意見として、「書面調査は、改ざんのおそれもあり反対」といったものや、「自然由来物質など、把握困難ものは土壌分析調査を実施すべき」といったものがあった。これに対する県の考え方として、土地の利用状況等の書面調査は、土壌汚染対策法で広く使用されている調査方法であり、環境汚染の拡散防止という条例の趣旨を損なうことなく、より円滑に施行できるよう本案のとおり見直しをしたいと考えている。規則改正以外のものについては、(1)に記載の、定期検査の土砂の採取方法は面積に応じて複数の検体を分析することを定めているが、これを混合して1つのサンプルにしたものを分析することも可能とする。 また、(3)に記載の、同一区域の土砂のみによる盛土の場合、土壌分析調査は、許可申請時等の1回で可とする。これらについては今年の1月中旬から運用を開始した。

Q (仮称)ウインドパーク遠州東部風力発電事業について、掛川市内では大変広範囲で環境問題を心配する事案となっている。2月の掛川市区長会連合会理事会でも議題に上がっている。簡易水道水源の上部に発生残土の盛土を行う計画であり、市街地からも含めた景観の変貌、源流域の環境保全の維持、登山、自然観察等の市民の憩いの場としての価値の変貌等の影響が出る可能性が否定できないとして、連合会として理事全員向けに現状把握のための事業者との意見交換の場を設けることを提案するとしている。 環境影響評価の手続は、4月中旬に知事意見を経済産業大臣に送付するところまできている。掛川市の動きを県はどのように把握しているのか、またこうした意見をどのように反映していくのか伺う。

A 答弁者 大坪 生活環境課長  現在、環境影響評価審査会で(仮称)ウインドパーク遠州東部風力発電事業について審査が行われている。審査会においても、土地を改変することによる影響、簡易水道等の水源が点在する事業実施区域周辺の水量や水質への影響、風力発電施設が希少猛禽類であるクマタカの行動圏に及ぼす影響などについて議論が行われている。環境影響審査会から、県に答申をいただくことになるが、その際には、こうした、これまでの議論を反映した答申となると考えている。

小沼要望  リニア中央新幹線では、水資源や生物多様性について、県はJR東海に対して環境を回避するように求めているので、(仮称)ウインドパーク遠州東部風力発電事業についても、環境への影響を回避するという掛川市民の多くの声をしっかり反映するよう要望する。

<医療用資材の河川への流出事案について>

Q ①掛川市北部の河川等に流出した医療用資材の処理について、原因者への求償及び流出した資材の処理方法は。

Q ②そもそも医療用資材がなぜ無償で原因者に渡り、それが許されて見過ごされているのか、根本から解決が必要。(意見)

A 答弁者 片山廃棄物リサイクル課長

現在、県では廃棄物であるかどうか調査しているところであり、その経過を待って関係者も対応を検討すると伺っている。産業廃棄物であれば原因者が処理をするが、台風15号により流出したと考えられる場合は災害廃棄物として市町が処理することとなる。

<掛川市上内田の事案に対する県の対応について>

Q 掛川市上内田に不適正に処分され、令和3年6月に敷地外に流出した産業廃棄物について、県は措置命令を発出したが、措置命令に応じない場合はどのように対応するのか?

A 行政指導より一歩進め、より厳しい措置命令を発出しており、この措置命令に従い処理が進むよう引き続き監視・指導していくが、処理が進まない場合は行政代執行も視野に入れている。

<藤枝市の案件に係る処理の見通しについて>

Q 藤枝市の案件について本議会中に西原県議から質問があり、少しずつ片付けていくとしたが、どの位かかるか明確な答弁がなかった。おおよその目安でどの位かかるのか?

A これまでの処理実績、今後の処理量を見据え、何年かかるかを現時点で数字で申し上げることは非常に難しい。少しでも処理が進むよう粘り強く指導していく。

<掛川市西大谷の鶏ふんの流出に対する県の対応について>

Q 引き継いだ法人が鶏ふんの片付けに応じていく見込みなのか?

A 現在、民事再生法の手続が完了し、新たな法人の体制で処理を進めていくと伺っており、今後、当該法人へ廃棄物の撤去を指導していくほか、措置命令を一日も早く出せるよう手続を進めていく。土砂とともに流出している箇所もあり、経済産業部や掛川市と情報共有して取り組んでいく。